CHAPTER 01
PICSI 精子選別技術
成熟し機能が正常な精子の表面には、卵子周囲の卵丘細胞の主要成分であるヒアルロン酸(透明質酸)と結合する受容体があります。PICSI は成熟精子と卵子の結合機序を模倣し、DNA 断片化の少ない精子を選別して ICSI を行います。
適応症
- ✓男性側の精子品質が低い場合
- ✓受精率の低下が繰り返される、または胚の質が良くない場合
- ✓反復流産または着床不全の既往がある場合
Physiological Intracytoplasmic Sperm Injection
精子がヒアルロン酸(透明質酸)と結合する能力を利用し、成熟が確認された精子を選別して ICSI を行います。
成熟し機能が正常な精子の表面には、卵子周囲の卵丘細胞の主要成分であるヒアルロン酸(透明質酸)と結合する受容体があります。PICSI は成熟精子と卵子の結合機序を模倣し、DNA 断片化の少ない精子を選別して ICSI を行います。
培養室スタッフが精液検査を行い、PICSI が適しているかを評価します。
ヒアルロン酸と結合する精子は、成熟精子の割合が高く、DNA 断片化が少ないことを示します。
ヒアルロン酸と結合した精子を選び、顕微授精を行います。
ラボスタッフが精液検査を行い、PICSI の適応を評価します。
密度勾配遠心により運動性の良い精子を選別します。
運動性が良く成熟した精子が培養皿上のヒアルロン酸コーティングに結合します。
顕微鏡下で成熟し運動性の良い精子を選び、顕微授精を行います。
| 比較項目 | 従来型ICSI | PICSI |
|---|---|---|
| 評価基準 | 運動性/形態 | 成熟度/DNA 完全性 |
| 臨床応用 | 基礎選別 | 高度選別 |
| 参考基準 | 運動性の良い精子を選別 | 成熟精子を直接選別 |
体外受精が複数回不成功で、精子数は十分あるものの KRUGER 染色が1%未満の場合、精子品質を確保するため PICSI を検討できます。
精子運動率が低い、または数が不足している場合は、ICSI に必要な成熟精子を十分に選べない可能性があるため、PICSI は推奨されません。
ICSI は顕微授精の方法で、PICSI は ICSI 前にヒアルロン酸結合能力を用いて成熟精子を選別する工程です。